大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

神戸家庭裁判所 昭和41年(少イ)11号 判決 1966年7月18日

被告人 岡志郎

左近清作

主文

被告人両名を懲役六月に各処する。

但し、いずれも二年間右刑の執行を猶予する。

理由

第一  犯罪事実

本件起訴状記載の公訴犯罪事実を引用する。

第二  証拠の標目(編省略)

第三  法律の適用

被告人両名の判示所為はいずれも児童福祉法第三四条第一項第二号第六〇条第二項、刑法第六〇条に該当する。因て所定刑中懲役刑を選択し被告人両名に対し夫々懲役六月に処すべきものとする。

猶、いずれも犯情びんりようすべきものがあるので、刑法第二五条第一項に則り二年間右刑の執行を猶予すべきものとする。

仍て主文の通り裁判をする。

検察官 森部圭起立会

(裁判官 藤巻三郎)

参考

起訴状記載の公訴犯罪事実

被告人岡志郎、同左近清作は清作の妻藤江と共謀の上、被告人岡がこじきをなすに際し左近夫婦の五男日○夫(昭和三四年一一月一七日生)を利用することを考え、昭和四一年六月二一日午後八時四〇分ごろから同日午後九時二〇分ごろまでの間、被告人岡において右日○夫を背負い別表記載のとおり神戸市生田区中山手通一丁目七二番地の二八、スタンド「五月」ほか一六軒を順次訪れ、芦田いよほか一〇数名に対し「いくらでもよいから恵んで下さい」などと申し向けて同情をひき現金合計約二四五円の施与を受け、もつて児童を利用してこじきをしたものである。

別表

番号

貰い受け先

貰い受けた金額

神戸市生田区中山手通一丁目七二番地の二八、スタンド五月こと芦田いよ方において同人

一〇円

同区下山手一丁目五番地スタンド紫苑こと寺片道代方において氏名不詳の客

不明

右同所、スタンド、カツラギこと三好末子方において氏名不詳の客

右同所、スタンドはごろもこと寺本加代子方において氏名不詳の客

右同所、スタンド、モナコこと芝田芳子方において氏名不詳の客

右同所、スタンドひろすけこと宇野喜代子方において氏名不詳の客

右同所、スタンド美松こと島田美代子方において氏名不詳の客

右同所、スタンド、パパこと吉田圭子方において氏名不詳の客

右同所、スタンド、沙羅こと山崎登樹子方において氏名不詳の客

10

右同所、スタンド、久里こと中野つやの方において氏名不詳の客

11

右同所、スタンド、白浜こと松本京子方において氏名不詳の客

12

神戸市生田区中山手通一丁目一〇五番地の二、スタンド、由紀こと石原君子において氏名不詳の客

13

右同所、スタンド、さくらんぼこと平野マコト方において氏名不詳の客

14

同区中山手通一丁目一一一番地スタンド、ニューブンゲンこと野沢健方において氏名不詳の客

15

同区北長狭通一丁目四一番地の一、スタンド、ジュンこと中島夏子方において氏名不詳の客

16

右同所スタンド、若草こと中条博方において氏名不詳の客

17

同区中山手通一丁目九〇番地、スタンド、美珊瑚こと長谷さと子方において客松本治美

一〇円

合計

二四五円

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例